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2009/12/29

今年の年末年始の東京近郊区間最長O型大回りルート1027.3kmの証明

日付回ってしまいましたが、厳密解論証を一応記しておきます。興味のある方のみどぞ。(誰か居るのか??)

なお、このルート、および130円最長大回り(北松戸-馬橋)のいずれも、武蔵小杉駅予定地でクロスするんですよね。
すなわち、今回の最長ルートはまさにこの年末年始のみのものであり、来年の年越しにゃまたぢごくの乗り鉄せなアカン、つーことなんですよね…大笑

はじめに

今回の論証は、そもそも「最長だと予想されるルート」が前回+特例に関係なく房総半島はみ出し延長であることから、前回とまったく同様に論証可能である、との推論に基づきました。
ただし前回の論証で冗長かつ全体の議論に影響のない誤りがあった部分については、もちろん改善してみてます。

特例を列挙

まず、東京近郊区間内で、規則上および計算上、区間外乗車可能な区間および往復の営業キロは以下のとおりです。(左側が分岐先、中央が分岐駅、右側が区間外乗車可能な限界駅)

  • 常に利用可能
    • 常磐線・東北本線-日暮里-東京 11.6km
    • 尾久・それ以外-日暮里-上野 4.4km
    • 新川崎または西大井・それ以外-鶴見-横浜 14.2km
    • 湘南新宿ライン・田町以遠-品川-大崎 4.0km
  • 分岐駅を通過する列車に乗る場合のみ利用可能
    • 八高線・高崎線-倉賀野-高崎 8.8km
    • 横浜線・東海道本線-東神奈川-横浜 3.6km
    • 中央線・山手線または京浜東北線-神田-東京 2.6km
    • 中央線・山手線または湘南新宿ライン-代々木-新宿 1.4km

今回特例を含めると最長となると思われるルートの複乗なし営業キロ合計は1013.1kmとなり、このルート上では上記一覧のうち日暮里-東京および神田-東京が該当し、それらを加えた実乗キロ数合計は1013.1 + 11.6 + 2.6 = 1027.3kmです。
これが最長か否かを(「たぶんこれが最長だろう」という予測のもと、厳密さを損なわずに)確認するには、他の特例が成り立ち得る最長ルートをそれぞれ求め、その各々に別の特例を適用する、という作業を行わねばなりません(ここで注意すべきは、「特例Aを必ず使う条件で求めたルート上に存在するすべての特例を加算して1027.3kmと比較する」という手法は誤りであることです。例えばそのルートで特例Bが使え特例CDEが使えなかったとして、複乗なしにおけるそのルートの次点となるルートで特例BCDEすべてが使えたことによって総計が逆転することがあり得るからです)。

鶴見-東神奈川-横浜の特例は利用できない

以下、1027.3kmのルートを「暫定最長」とします。
まず、数値を稼げそうなところで、鶴見-横浜間を見てみます(この特例はいわゆる「日暮里・鶴見問題」含みのため、発着駅は新川崎駅または西大井駅に限られてしまいますが、O型きっぷの場合、逆にそこから開始すればよいだけなので問題になりません(唯一、両方を同時に満たすことができないだけ))。

これを利用するためには、品川-東海道3-鶴見を通り、川崎-東海道-鶴見または鶴見-浜川崎-尻手のいずれかを必ず通る条件式を付け加えればよいわけです。(枝1=1かつ枝2+枝3=1という条件式になります)
そしてこの条件での複乗なし最長O型ルートを求めたところ、972.7kmとなりました。
このうち長い方の後者に、これ以外の全特例(重複する日暮里-上野・東神奈川-横浜を除く)の往復キロを単純にすべて加算しても972.7 + 42.6 = 1015.3km。つまり、この特例を用いた任意のルートは「暫定最長」を超えません。

次に、上例と一部重複する東神奈川-横浜について、新横浜-東神奈川および東神奈川-鶴見を必ず通るように計算したところ最長ルートは979.1km(なおこの条件式は、そのまま「新川崎または西大井-横浜-横浜線」という特例を内包していますので、そちらを考察する必要はありません)。これに全特例(日暮里-上野・鶴見-横浜を除く)を加算しても1011.1kmで、やはり「暫定最長」を超えません。

というわけで、まずこれら2考察から、鶴見-横浜・東神奈川-横浜の2特例は、ルート上に含んでいた場合に「暫定最長」を超えない、すなわちまったく利用できないことがわかりました。
よって以降の考察では、特例のうちのこの2つはすべて「単純加算」から除外できることとなります。

尾久駅発着の特例は片側のみ考えればよい

続きまして、「日暮里・鶴見問題」の片割れである、尾久駅を発着とする場合を考えてみます。
この場合、尾久駅は分岐点ではないので、尾久駅発着=尾久駅通過として計算すれば問題ありません。つまり、赤羽-東北2-日暮里および、日暮里-田端または日暮里-新松戸を必ず通るという条件を加えて計算します。
ここは結果論的に、まとめた条件式とせず計算しますと、日暮里-田端を通過する場合の結果は998.6km。これに重複を除いた日暮里-上野・品川-代々木・倉賀野-高崎・神田-東京・代々木-新宿の合計21.2kmを加えると1019.8kmとなり、「暫定最長」を超えていないため最長にはなりません。
一方、日暮里-新松戸を通る条件では1007.5km+21.2=1028.7kmとなり、この場合は個別計算が必要となります。

日暮里-東京の特例で絞り込み

これも含めて以降、結果論としては単純に処理ができません。
尾久通過の場合は別途考えることとし、尾久を通過しない場合の特例でしかも長距離である日暮里-東京について、分岐点としての日暮里に着目します。
日暮里から出ている枝は4本ありまして、尾久通過を除外した3本の枝のうち「どれも通過しないかうち2本を通過するか」という組み合わせとなりますので、それらについてad hocに考えてみます。
「暫定最長」は、複乗なしであれば田端-日暮里-新松戸ルートですので、これがおそらく最長でもあろうという予想から、それ以外のパターンについて考えます。すると、3本の枝のうち上記以外のものは「まったく通過しないか日暮里-秋葉原を必ず通過するかのどちらか」です。

まず「まったく通過しない」ですが、これは996.5kmとなりました。
これは日暮里-東京の特例利用不可となりますので、単純加算すべき品川-大崎・倉賀野-高崎・神田-東京・代々木-新宿の合計16.8kmを加えて1013.3kmで不可です。
次に「日暮里-秋葉原を必ず通る」ですが、これは当然に複乗なし最長O型ルートの1014.6kmとなり、単純加算すると「暫定最長」を超えるため個別対処が必要です。

というわけで、結論としては、「(A)田端-日暮里-新松戸を通り、日暮里-東京複乗を加算できる」、「(B)尾久-日暮里-新松戸を通り、日暮里-上野複乗を加算できる」「(C)日暮里-秋葉原を通り、日暮里-東京・上野複乗を加算できない」かのいずれかが候補となりましたので、それを前提としつつ、残りの4特例について個別で考察をしていきます。

倉賀野-高崎の特例も利用できない

倉賀野-高崎複乗を利用する場合ですが、条件として「高麗川-倉賀野および倉賀野-熊谷を通り倉賀野-高崎を通らない」を加えますと、最長は999.1kmとなります。これに条件の複乗分を加えて767.7km。
このルートは(C)で、その合計は少なくとも999.1+16.8=1015.9kmより小さくなるため、NGとなります。
一方、(B)を条件に追加して計算すると992.0kmとなりこれに複乗を加えて992.0+16.8+4.4=1013.2km、これもNGです。
残る(A)ですがこれは997.6kmとなり、複乗分の最大16.8+11.6=28.4kmを加算しても1026.0kmでギリギリ範囲内となり、「倉賀野-高崎間複乗」はあらゆる場合で「暫定最長」を超えられません。

残りは総当たり戦

残るは倉賀野-高崎複乗を利用しないパターンです。これには「倉賀野を全く通過しない」「倉賀野-高崎を通る」の2通りがありますが、後者はまさに「暫定最長」パターンなので前者のみ計算し、918.1kmで論外です。

これで残るは「倉賀野-高崎を通り、(A)(B)(C)のいずれか」です。残る特例は3区間・総計8.0kmで、これらについて総当たり戦を行います。

  • (A)&品川-大崎 989.6km+8.0+11.6=1009.2km
  • (B)&品川-大崎 985.2km+8.0+4.4=997.6km
  • (C)&品川-大崎 996.8km+8.0=1004.8
  • (A)&代々木-新宿 988.7km+8.0+11.6=1008.3km
  • (B)&代々木-新宿 985.8km+8.0+4.4=998.2km
  • (C)&代々木-新宿 1014.6km+8.0=1022.6
  • (A)&神田-東京 1013.1km+8.0+11.6=1032.7km
  • (B)&神田-東京 1007.5km+8.0+4.4=1019.9km
  • (C)&神田-東京 1004.2km+8.0=1012.2km
  • (A)&いずれも利用しない 1012.0km+11.6=1023.6km
  • (B)&いずれも利用しない 1006.4km+4.4=1010.8km
  • (C)&いずれも利用しない 1013.5km
これらのうち、「暫定最長」より大きい可能性があるのは、(要するに「暫定最長」を含む)「(A)かつ神田-東京利用」のみ、ということになります。
しかし、この「(A)かつ神田-東京」ですが、この中であり得るルートには、残る2区間はいずれも含まれていません。残る2区間のいずれかのみが含まれているだけで、「暫定最長」を下回ってしまいます。
つまり「(A)かつ神田-東京」の中に存在する「真の最長」は、「日暮里-東京および神田-東京のみを利用し、他の特例は利用しない」というものであるはずです。
これはまさに、「暫定最長」そのものです。

よって「暫定最長」こそが「真の最長」そのものである、と結論付けられました。

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