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カテゴリ : 2019年秋の研究 - 第3回方言漢字サミット

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2019/11/17

鶯谷駅から普通大船行き、秋葉原駅から普通千葉行きで帰宅しました

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いやはや、笹原先生にもきちんとご挨拶できましたし(いや、厳密に言えば先生の方からお声をおかけいただいてしまいました)、なんと大学時代の大先輩にお声をかけられまして(演者のお一人とご親戚だそうで来られて、笹原先生の講演の中で「よねざわの名前が出てるなぁ」と思われてたそうでして)、世の中狭い((((;゚Д゚))))))) そして漢字に情熱を傾けておられる同志のみなさんとお話もできて、本当にありがとうございました!

来年には第4回が必ず開催されるとの昼間事務局長のお話でしたので、よねざわ、また参加いたします!\(^o^)/

第3回方言漢字サミット懇親会の笹乃雪の豆富コース、絹揚、豆乳蒸し、うずみ豆富、ソルベで〆

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揚げは薄い衣と一体化して本体まで油が食い込んでで絶品! 豆乳蒸しは悶絶レベルの湯葉入りで濃厚、そしてうずみはこねくった代用肉になんら劣らぬ旨味で驚愕でした! ごちそうさま!!

第3回方言漢字サミット懇親会の笹乃雪の豆富コース、豆富白酢ソースにつけていただく生盛膾、冷奴、胡麻豆富、あんかけ豆富

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豆腐は充填ものよりは粗くてかすかな舌触りと自然な濃ゆさが絶妙です。あんかけが2椀なのは皇室由来らしいので無視、でもこの餡は甘くなく鰹出汁が上品で感動!

散会後、八潮→北千住→日暮里と乗り継いで鶯谷駅で下車、すぐの老舗、笹乃雪さんで懇親会!

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このお店では豆腐を「豆富」と書きますが、こちらが先か(ウィキペディアはこの説)、笹原先生の著書にある「島根県松江の業界団体」が先か問題! 現当主さんがご挨拶で当然に前者説を演説、なんと敗戦直後に界隈の噺家さんたちに事務所として貸して、そのお礼として縁起の良い「富」を呉れたんだ、とのことでした!

質疑応答・笹原先生総括のあとは抽選会

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質疑応答

  • 笹原「髭の下部を若い女性が「男」で書く、よく考えると女が入った漢字はたくさんあるのに男はあまりない、これは漢字を作ったのが男性だから。」
  • 創作漢字について、岡墻「タピオカって漢字がSNSで拡散していた」大居「中国でも「成龍」の合字が作られた」萩原「誤字自警団よくない」「登記でお上が「第二水準にないのは書き換え可能」なのもよくはない」

笹原先生の総括

  • 生活の中の地域文字は生活者が文字を自分のものにしようとしている過程、と須磨の発表でよくわかった
  • いっぽうでUnicodeに入らない漢字は若い人には「見たことない」となる問題
  • 釜萢弘→デビュー時にかまやつひろしになったのも経済であり金失と通じる
  • よねざわさんという方がTwitterで全国の幽霊文字をめぐって写真で報告してくれている、研究者はなかなか外に出られない、こうやって裾野が広がっている (はずかしすぎる紹介のされ方、、、)
  • 大居さんの研究は「地域の数だけ文字の話はある」好例
  • 萩原さんの研究も看板というのはどんどんなくなっていくのでよい記録みなさんもどうぞ
  • ビャンビャン麺の漢字はせいぜい百年w
  • 昼間さんのせん「べ」い研究は、変体仮名の地域性の研究としてきわめて貴重

抽選会ではよねざわは無事ハズレました(笑)

第5発表、昼間良次さん「草加せんべいの 地域に見られる「べ」の異体仮名」

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草加せんべいの2店で「当店にはございません」と言われたがちゃんと「べ」の異体仮名表記ラベルの煎餅が売られていた(店員さんからラベルが見えない)。草加市の44店舗アンケ「歴史」「上級感」「固さ・香りの表現」「草加と不可分」「草加という字体とバランスがよい」
板橋や柴又帝釈天、成田山参道でも「べ」異体仮名。いっぽう三河えびせんべいは馬鈴薯澱粉なのでひらがな表記(「い」を「以」にしたのが1店)、南部せんべいも八百津せんべいもなし、長崎県では「せんぺい」もある
草加せんべいで異体仮名「べ」(遍のくずし)を使う理由は今のところ解明できず。地域に根づいているのは間違いなく、今後も追求。また草加せんべいのようなコメ煎餅は全国的には少数派だとわかった。

第4発表、萩原匡祐さん「企業のロゴや商業登記からの調査報告」

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浦安の報告。
葛の表記ゆれ(人か匕か×か)、ビャンビャン麺など。今回は「浦安鐵鋼団地」。西田鉄工の銘板の社名が「金矢」になっている。鉄・鐵・金矢。銕もある(鬼平の幼名)。57年の近鉄百貨店の看板も「金矢」。小学生が間違えるクレームで67年に「鉄」に。
登記上は「金矢」も登録されてる。検索結果から画像で表示可能なので検索してほしい。
JR旅客会社のロゴは四国以外「金矢」。四は教育配慮。東西の現在の見解は「由来不明」! いっぽう「鐵」は今も「新日鐵」で。「金の或る王」という鉄鋼業界の伝え。商業登記の新規神聖は原則常用漢字。第2水準にないと指導することを指導。実務では受容が多い。

第3発表、大居司さんの「地名における字の転訛?」

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地元「大鳥居」紹介サイトに「大鳥原」説が紹介、「変わっていない」地名漢字にも変わった歴史があるのではないか? 例えば垳は圻は転訛したと笹原推論、しかし見慣れた字は転訛するのか?
現大津市大鳥居が大鳥原だった根拠に関連する金勝寺四至勢図(写本・鎌倉中期か桃山に成立)には確かに「大鳥原」とあるが、他の地名に複数の誤字、元の絵図はかなりの草書でそれを写す際の誤字である可能性が高い

笹原・岡墻講演の質疑応答

「多摩」と「多磨」の表記差について
岡墻「多摩では「广+マ」表記が多いが須磨ではこれは皆無」
笹原「多磨霊園は霊園だから石説があるが研究があまりない」

福井県の須波阿須疑神社で片方がさんずいの表記がある
岡墻「同じ文字を繰り返したくないとして敢えて別の字体を使うことがある」 笹原「人名で吉土口さんと土口吉さんがいるが読みは「きちよし」「よしきち」で揺れていない」

第2講演、岡墻(おかがき)裕剛さん「神戸市須磨区の地名表記に見る方言漢字について」

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達筆なのに「須ナ」? 磨の筆記体

「磨」は「广」と書かれる、テ・ナにも。略字?(中国では「广」は「廣」の略字) 「須磨」は現在は兵庫県神戸市西部の地名、「すま」は万葉集にすでに存在、名所旧跡で石碑歌碑多し、よって漢字の位相・年代・地域差の研究に適材
「須」は「あごひげ」「ねがう」、固有名詞に多い 「磨」は「みがく」、どちらも好字を当てた。どちらも常用漢字で書ける人が多い、 康熙字典でも同じ字、HNG(漢字字体規範史DB)では「須」は中国ではさんずい、「磨」は揺れない。

拾遺和歌集では「須」は判読不能、「磨」は「广」になってる、江戸時代は「須」はさんずい多く「磨」は「磨」か「广」。須磨寺の12世紀からの記録ではさんずいとさんづくりが棲み分け、「摩」も近世にあるが「護摩」からの「广」経由の混入か。
古くは揺れたが室町以降は「須磨」基本、字体は「須」はさんずい多し、「磨」は广も多い、手書きでは「广」からバランスをとって「ナ」になりがち。「广」は歴史的によくある字体、須磨地域ではよく書く(周辺では理解されない)、須磨地域の方言漢字だとしてよい

笹原先生の基調講演…えーもこれはなんなんでしょうか、、、

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「方言漢字」=地域性を持つ漢字、字種、字体、字音字訓、字義用法、表記、頻度使用傾向。「函の最初の画が了」、谷の「や」や城の「しろ」は方言読み、鮨寿し鮓、「鰰」は漢検一級者か秋田県人しか読めない、釦は関東だけ、人名に海使うのは沖縄が多くて長野が少ない

方言漢字ニュース:臼杵市長「臼は3人に1人が誤字、観光アピール可能」戸籍統一文字で「十の左上に十」木(ととき)さんが誤字扱い、「幼女」合字の論拠「雑俳」、「車山」合字は大垣市で普遍、鹿児島の女子学生は「薗」を「?口」と書く、梅田駅が大阪梅田駅に改名されたが「口メ」維持されたw、「ヶ谷スタンプラリー」「市川ママ」話題に、「方言文字」辞書に収録、SNSで話題に、中国の方言漢字について中国の研究者と情報交換、北海道では調理した海老を「蛯」と書く

方言文字の仮名への波及:「さ」がつながってるかどうか、「止まれ」にも字形差、「那ハ」表記=地域的交ぜ書き、方言仮名「さ゜」「イ゜」、変体仮名にも地域性、○1を山形では「いちまる」と読む

はじまりました第3回方言漢字サミット

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理事長さんあいさつに続いて笹原宏之先生の基調講演。この方の96年の論文に基づいてよねざわは全国の幽霊文字地名をまわっているんですよ!!

八潮駅前に戻ってきまして、駅前の「第3回方言漢字サミット」会場に入りました

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本日のお題の一つ「草加煎餅」ネタとして本物配布、これで入場無料はありがたすぎますので後ほどカンパしよっと。

八潮市垳の垳ふれあい会館から300m、セブンイレブン八潮垳店に立ち寄りました

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この大字名をゆいいつの根拠として78年制定のJIS第二水準に収録された幽霊文字「垳」、収録されたからこそ店名と住所として印字できるわけです!

第3回方言漢字サミットまでまだ間があるので、八潮駅から徒歩700mの垳ふれあい会館に来てみました

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全国ここでだけ大字名に使われており区画整理が完了すると住居表示の実施で使用例が消滅してしまうおそれのある幽霊文字「垳」。

北千住駅で普通つくば行きにお乗り換え

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そういや前回のTX乗車も北千住から八潮、で垳行ったんだった。

押上駅から急行久喜行きに乗車

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こんにちは。風邪はまだ治ってませんがもともとこの週末は旅行には行かない予定でして昨日は眼科に行って眼鏡処方箋つくって組合事務所で打ち合わせして、あとは自宅で寝てました。で今日はこれから講演拝聴のため八潮駅へと向かいます!