2019/11/17
第2講演、岡墻(おかがき)裕剛さん「神戸市須磨区の地名表記に見る方言漢字について」
達筆なのに「須ナ」? 磨の筆記体
「磨」は「广」と書かれる、テ・ナにも。略字?(中国では「广」は「廣」の略字) 「須磨」は現在は兵庫県神戸市西部の地名、「すま」は万葉集にすでに存在、名所旧跡で石碑歌碑多し、よって漢字の位相・年代・地域差の研究に適材
「須」は「あごひげ」「ねがう」、固有名詞に多い 「磨」は「みがく」、どちらも好字を当てた。どちらも常用漢字で書ける人が多い、 康熙字典でも同じ字、HNG(漢字字体規範史DB)では「須」は中国ではさんずい、「磨」は揺れない。
拾遺和歌集では「須」は判読不能、「磨」は「广」になってる、江戸時代は「須」はさんずい多く「磨」は「磨」か「广」。須磨寺の12世紀からの記録ではさんずいとさんづくりが棲み分け、「摩」も近世にあるが「護摩」からの「广」経由の混入か。
古くは揺れたが室町以降は「須磨」基本、字体は「須」はさんずい多し、「磨」は广も多い、手書きでは「广」からバランスをとって「ナ」になりがち。「广」は歴史的によくある字体、須磨地域ではよく書く(周辺では理解されない)、須磨地域の方言漢字だとしてよい
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