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2007/10/19

名鉄・東武のO型きっぷ+α

先週末のO型ツアーで使ったきっぷの紹介です。


名古屋鉄道最短O型きっぷ。出札補充券です。
経由欄には「津島、須ヶ口」と乗換駅が記載されています。
レポートに書いた話を補足しつつ再掲しますが、名鉄では、学割などのきっぷもすべて機械端末で発行することができるため、O型きっぷは「堂々と買い求めることができる唯一の補充券による片道乗車券」です。また名鉄は線区ごとに異なる率を営業キロに乗じた運賃計算キロにより運賃を算出するため、「運賃計算に多大な手間を要する唯一の乗車券」でもあることになっています。それが理由か、発行までに下の最長とあわせ80分を要しました(^^;;)。
補充券としての様式ですが、「Meitetsu」地紋で発行駅は記入式です。下欄の「途中下車」は「途中下車印」の誤りではないかという気もします。


名古屋鉄道最長O型きっぷ。
こちらの経由欄もやはり乗換駅が記載されていますが、犬山線と本線との接続箇所が「枇杷島分岐点」となっています。
これはレポートで触れたとおりで、もともと犬山線と本線とは枇杷島橋駅で乗換が可能でしたが、狭い構内に起因する事故があったとかで、枇杷島橋駅を廃止し、休止中だった西枇杷島駅をその代替として復活させた、という歴史経緯がありまして、現在に至るも運賃計算は旧枇杷島橋駅=現枇杷島分岐点をもとに行っているのでした。しかしもちろん列車は停まりませんので、その先の駅までの区間外乗車が認められることとなり、優等列車などではこの先名鉄名古屋駅まで停まりませんから、枇杷島分岐点-名鉄名古屋間での区間外乗車特例が設けられているわけです。
この枇杷島分岐点、機械端末も完全対応しているようです(→こちらに乗車券・回数券の例)。
ところで今回、無効印お持ち帰り不可能の可能性が非常に高かったため、実乗用の他に記念用を発行していただいてますが、最短・最長で補充券のシリアル番号が7,8,10,11となっていて、9番が欠番です。というかおそらくは記入ミス→破棄ですね:-)


東武鉄道O型きっぷ右回り版。出札補充券です。
経由欄が実に特徴的で、「多々良・成島・竜舞・韮川」と、路線が分岐した隣駅のみの記載となっています。
こちらは名鉄とは異なり、運賃も簡単に計算できます。さらに、足利市駅の特急券窓口にて希望を述べたところ、駅員さんはただちに奥の金庫より出札補充券の束と記入例のコピーを取り出し、発行に取り掛かっていただけまして、発行時間も5分とかかりませんでした。たまにはこのような趣味丸出しのきっぷ(笑)も売れるのでしょうか。


東武鉄道O型きっぷ左回り版。出札補充券です。
経由欄に別の駅名が出たらどうしよう、ということで買いましたが(もちろん実乗もしました、笑)、順序が逆になっただけで駅名は同一でした。
ところでこの左回りと右回り、わずか1時間の差で同日に求めたものですが、右回りは日付と駅名が手書きで「出札」という押印なのに対し、左回りは日付と駅名が押印で「出札」押印はありませんでした。
実は左回りは、右回りの実乗を終えて有人改札に使用済みきっぷを差し出す際、「これからこの逆周りにも乗りたいので2枚お願いします」とその場で申し込んだもので、こちらはさらに短く3分かからずに発行されています。もしかすると、こちらの方は記入例コピーを参照せずに作成されたのかもしれませんね。


民鉄の出札補充券は過去2回目&3回め(初回は平成筑豊鉄道、このときも実乗用の発券で「券売機では買えない」ための補充券でした)ということで、裏側も比較してみます。(平筑のは当然に手元にないし当時はさほど興味がなかったため裏面を確認していない、涙)
いずれも、国鉄・JRとの連絡運輸を前提とした注意書きですが、東武は今年3月に連絡運輸終了、名鉄も風前の灯ということで、実際の意味はまったくなくなってしまっていますうすくなってしまっています。
…というかですね。東武の方ですが、筑肥線の各駅が注意書きにないだけでなくって、「香月駅は含まれません」ってどういうことですか(^^;;;;;) 香月駅が廃止されたのは1985年でまだ国鉄ですよ(^o^;;;;;;) つまり、その頃からこの出札補充券は刷り直されてないか、さもなくば裏面記載が修正されてないかってことですよね。これ、他駅で今も買える補充券の裏面が気になります…って「趣味発券が可能なごくわずかの駅」がごく近所にあるような気もしないではありませんが……(^^;;)


名古屋市交通局高速度鉄道、平たく言えば名古屋市営地下鉄の最短および最長O型ルート乗車時に購入・使用した自販機券。
名古屋市交通局の高速電車乗車料条例施行規程第10条第2項によると「前項のキロ程の計算は、最短の経路による。ただし、最短の経路によりがたい場合は、乗客の実際に乗車する経路により計算する。」とのことですが、「環状線一周となる乗車の場合はこの但し書きに相当するため、実際に乗車する経路で運賃を計算し、自動券売機でその額の切符をお求めの上ご乗車いただき、有人改札からご出場ください」という噂があり(ってどんな噂だよ^^;;)、今回もこれに従っての乗車でした。
最短ルートは以下の図の青線、最長ルート(LOP toolkit(改)で求めた厳密解)は赤線で示したとおりとなり、前者は営業キロ3.0kmで1区200円、後者は37.3kmで5区320円です。

なお当初は深く考えず、最長ルートを名古屋駅で開始・終了しようと考えていたのですが、実は名古屋駅からは最も遠い赤池駅までが14.8kmでギリギリ4区のため320円きっぷが売られていない!! というわけであせりまくり、ノーパソも持参していなかったため適当に思いつきで検索したところ、いかにも遠そうな高畑-名古屋大学間で15.2kmとなり5区!!! ということで名古屋大学までわざわざ移動し、そこから320円きっぷで最長ルートをまわったのでした。
今ざっと調べた限りでは、そこまで行かずとも、最長ルート上の以下の各駅にて320円きっぷが販売されているようです(^^;;)

  • 赤池まで5区320円の駅:名城公園〜志賀本通
  • 高畑まで5区320円の駅:ナゴヤドーム前矢田〜自由が丘間・名古屋大学〜堀田
  • 上小田井まで5区320円の駅:八事〜妙音通
  • 野並まで5区320円の駅:志賀本通・平安通

ということで、名城公園〜平安通・ナゴヤドーム前矢田〜自由が丘・名古屋大学〜堀田の各駅の発着で、1枚の片道乗車券による最長O型ルート乗車が可能なようです。つまり当日は最短の完了した丸の内駅から200円きっぷまたは2.5km徒歩で最長を開始でき、そしたらたぶんホームライナー大垣にも乗れてましたね。まぁ下調べの足りない旅はこんなものです。涙

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From : Feel Fine! @ 2009-11-15 11:00:55

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この記事へのコメント
Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

ハンコください!、制度系でお世話になっております、catalyticです。

先ほど自ブログでコメントをお返しした後に拝見させていただきました。3社とは最大手3社だったのですか。実乗用と保存用に2枚もお買いになられたのは流石です。名鉄は補充券ならず、きっぷの回収に比較的厳しい会社ですが、近鉄は寛容ですので、恐らく頼めば貰えると思います。

補充券の裏面の表記に関してですが、名鉄の最新版は、連絡運輸の縮小に伴って裏面のご案内が消えています。東武は仰るとおり、香月が現存しているのですが、補充券に元号が印刷されていないので、時代考証がなかなか難しそうです。

残るは近鉄ですが、個人的にはやはり、3社の中で唯一持っている補片での旅行をお勧めしたいところです。自ブログでコメントさせていただいた通り、補片を持っていない駅がありますので、興味がありましたらお知らせください。

From : catalytic @ 2007-10-20 02:24:53 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

またまた場末のblogにお越しいただきまして恐縮です。こちらも、いただいたコメントに気づかずに先ほどそちらにコメントをしてしまいお手数をおかけしてしまっております。

名鉄のこの補充券は古い版なのですね。東武については改版していないのはなぜなのでしょうか。といっても普通乗車券の連絡運輸全廃なので次の版では変わってくるのかもしれませんが。。。

近鉄については来年1月に実乗の予定ですが、ルート選定など(他の行程との絡みもありまして)できておりません。ある程度固まってきたところで、お言葉に甘えましてこちらより連絡をさせていただきたく存じます。よろしくおねがいいたしますm(__)m

From : いずみ @ 2007-10-20 02:55:02 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

> 名鉄は線区ごとに異なる率を営業キロに乗じた運賃計算キロにより運賃を算出するため、「運賃計算に多大な手間を要する唯一の乗車券」でもあることになっています。
名鉄は、同一換算率の線区ごとの営業キロを算出し、これに換算率をかけて合算し、運賃を計算しているのですか。線区ごとの換算率によって各駅間の擬制キロが算出されていて、それを単純に加算しているのではないのですか。
後者でしたら、東武の環状線に含まれる小泉線も擬制キロ区間ですので、運賃計算の手間は変らないと思うのですが。

From : デスクトップ鉄 @ 2007-10-20 23:21:41 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

三角表とかって常備されてるのでしょうか。そうでないとしたらこの場合手計算になるように思うのですが。

From : いずみ @ 2007-10-20 23:23:48 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

名鉄の出札補充券ですが、改めて規則などを検討していると、疑問が生じました。

少々古いものになりますが、平成8年度版の社則として掲載されている、同社の旅客営業規則第42条の2(旅客運賃計算の特例)では、いわゆるこの環状線内(規則掲載の太線区間)の各駅を発着または通過する場合の普通旅客運賃は、運賃計算キロ程が最短となるキロ程によって計算し、太線内は経路の指定を行わないとあります。

つまり、通過のみならず発着の場合も最短経路で計算ということですので、少なくても1510円で発売されている方の乗車券には疑義がありそうです。本社回答?では、この乗車券では指定された経路以外には乗車できないという話だったようですが、運賃はもとより、そもそも経路を指定するのが誤りという気がします。(あくまで、規則的なアプローチとしてですが。)

From : catalytic @ 2007-10-21 21:27:22 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

規則の明文ご掲示いただきましてまことにありがとうございますm(__)m

実のところ、「指定経路以外不可」とする3社はすべて、デスクトップ鉄さんの資料(そしてそれらのうち2社分はCatalyticさんご提供の情報ですよね)では「経路指定なし」という規則なのですよね。
近鉄に関しては、Webサイト上で「環状線一周とならない限り」という但し書きが明示されているのですが、他2社はそれもなく、単にこちらよりの照会に対してそのような回答があった、ということに過ぎません。

西武も含め、そのような見解を出しているということは、環状線一周の乗車券について、規則か細則か内規か解釈かはわかりませんが、何らかの特殊の、かつ共通のバイアスがかかっているような感じを強く受けます。
(そして、そのようなバイアスから唯一フリーなのが神戸新交通の「1区運賃で自動改札も出場できます」という扱いです。これは純粋な区間制の扱いに近い結論でもあるのですが、ここまで他の民鉄の扱いが「右へならえ」である中、とても新鮮に見えてきます)

規則的アプローチ(といっても私は、重箱の隅を感覚的につついてみるのはとても好きなのですが、論理的思考はからきしダメなので、しばしば誤った結論に陥ってしまうのですが、涙)からすれば、デファクトスタンダートと言ってよいであろう国鉄→JRにわたって認められている片道乗車券の発券一形態である、環状線一周ルートについては、規則なり細則なりできちんと禁止していない限り、本来発売できるのが筋のような気はします。そしてその発売を禁じていないのであれば、やはり規則なり細則なりできちんとルールを定めない限りは、L型片道乗車券と同じルールが適用されるべきではないか、という気もします。

ただ、そもそも「環状線一周」というのは、途中下車制度が社全体として存在しない民鉄にとっては「誰も押さない急所」もいいところで、まさにデスクトップ鉄さん仰せの「本源的需要」にのみ基づく特殊な輸送契約に他ならないので、裁判で争ってみたところで実際どうなるのかわかりません。(^^;;)

From : いずみ @ 2007-10-21 22:33:30 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

前のコメントは舌足らずだったかもしれませんが、名鉄の運賃計算は、次の1と2のどちらかという疑問でした(2であれば、東武の場合と運賃計算の手間は変らないはず)。
(1)乗車区間の営業キロを同一換算率の区間ごとに通算して、それぞれの換算率を乗じて、運賃計算キロを計算し、運賃を計算する。
(2)各駅間に擬制キロが定められていて、乗車区間の擬制キロを通算して、運賃を計算する。
ところで、より本質的なcatalyticさんの疑問は、私も以前から感じていました。とくに、ラッチ外乗り継ぎ駅がある東京メトロ等の場合は、「本源的需要」だけではありませんから。営団時代の旅規には環状線一週の乗車券は発売しないという規定はありませんでした。
MMMLで「大手町(東西)九段下(半蔵門)大手町とメトロカードで乗車した(九段下はラッチ外)ところ、大手町で自動改札のゲートがしまったが、有人改札で経路を申告したところ、初乗り運賃で出場処理してくれた」という報告があったと記憶しています。東京メトロになって取扱が変ったのでしょうか。

From : デスクトップ鉄 @ 2007-10-22 12:54:13 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

東武の「普通乗車券の連絡運輸全廃」とありますが、「JR-東武-JRの通過連絡運輸が廃止になった」の誤りじゃありませんか?
地元では、栃木乗換のJR連絡乗車券は、券売機で購入可能ですよ〜。

From : 僕ドラ @ 2007-10-22 20:42:56 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

おっしゃるとおりで私の勘違いでした。m(__)m

From : いずみ@出先からとりいそぎ @ 2007-10-22 22:59:13 編集

Re: 名鉄・東武のO型きっぷ+α

デスクトップ鉄さんからいただきましたコメントリプライですが、どこまで信用できるのかわかりませんがWikipediaを見た限りでは(1)でも(2)でもないような気がします。先の私のコメントで「三角表」と申し上げたのはそういう背景です。

ラッチ外乗り継ぎのあるのは東京メトロ以外に都営があります(あと未調査ながら大阪神戸もそうですね)が、東京メトロに関してはそれに関しても言及がありまして、「環状線一周の乗車の途中でラッチ外乗継がある場合、通常の片道乗車券と同じ扱いとなります」、すなわち「その駅までの最短経路運賃のほうが高額の場合は乗り継ぎ不可」ということでした。

いずれにせよ、個人的には、環状線一周の扱いがこうも各社で似通ってくるのはなぜなのかにも興味があります。

#まだ計算をしていないのですが、東京メトロの最長O型ルートは320円で乗車できるのだろうか。。。

From : いずみ @ 2007-10-23 00:31:25 編集

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