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2008/06/17

近鉄O型特急券、「ありえない」補充券、奈良県内最長O型きっぷ

またまた遅くなりましたが、4月にまわったO型きっぷ関連の行程3題(近鉄O型特急券・奈良県最長O型きっぷツアーおよび近鉄ありえない乗車券リベンジ)で利用したO型きっぷ等を紹介いたします。


全国でここにしか存在しない「O型料金券」、近鉄O型特急券です。

環状線一周を運転する優等列車は、もともと国鉄にはいくつかあり、これらの列車で通しの乗車をする酔狂な乗客に対してはO型急行券が手書きで発売されたものと思われます。
JR化後にも、しばしば運転されてきた臨時列車「マウントレイク大沼号」において環状線一周の指定席券の発券が行われてきています。しかしリンク先のタカタカBさんによる紹介記事のとおり、この場合マルス券では「函館1」「大沼公園2」などと印字されてしまい、O型きっぷの条件を満たさなくなっています。これはマルス処理の関係上、重複する駅名に発着順序にもとづく「1」「2」が付加された「特殊駅名」(と呼ぶのかどうかはわかりません)が設定されていることによります。
ある意味これは、「逆ニセO型きっぷ」、すなわち「本当はO型きっぷのはずなのに券面表示上O型にならない」という代物です。
一方で、岡山から伯備・姫新・津山線経由で岡山に戻る臨時列車「岡山県内一周号」では、「岡山→岡山」と印字されたまさにO型グリーン券が発売されたようですが、これはシステム上、やはり「岡山2」のような特殊駅名が用意されつつ、印字では「岡山」になる、という実装だったようです。
今後、リバイバル運転などで自由席連結の循環急行や循環特急が運転された場合は、自由席なので恐らくは既存システムのままでO型自由席特急券やO型急行券の発売が可能と思われますが、企画モノの臨時列車に自由席が連結されることが少ない昨今、はたして実際にそれに乗車するチャンスがあるかどうかは微妙です。

とまぁそんなわけで、現在定期的に購入できる乗車券以外のO型きっぷは、この「近鉄O型特急券」が全国唯一のものです。
近鉄では、30分以内に乗り換える場合に限り、特急料金を通しで計算できる制度があります。そして自動特急券発売機や窓口のASKA端末はこれに対応しており、券売機では3列車まで、ASKA端末では4列車までの乗継特急券を1葉で発券できます。実際、私も交通事故に遭った6時間後に(大笑)近鉄名古屋駅の券売機で3列車乗継の特急券を購入したことがあります
そして当然ながら、「じゃー5列車以上の乗継はどうするんだ」ということになりますが、その場合は特殊補充券での発売になります(たとえば、天理臨時特急が運転される場合の大阪阿倍野橋→天理は5列車乗継必須になります)。要するに近鉄は、それがルールに反さずしかもお客様からお金いただけるのなら何でも売りますってことなのであります。笑
なので、やはりASKA端末が対応していないO型特急券についても「特殊補充券での発売になります」となるわけです。\(^O^)/

発売手順ですが、ASKA端末からマルスで言う指ノミ券(120mm)を発行し座席を確保し、それを特補に書き写し、指ノミ券は旅客に渡さない、でした。
また実乗時には、近鉄はASKA端末から確保された座席は車掌端末で管理され検札が行われないため、この特急券も一度もチェックされることなく、検札印なども押されていません。

1つ気になるのは、「発売日共当日間有効」という部分です。明らかに発売日は乗車日より前なので、これは券面表示が矛盾していることになってしまいます。
これは、近鉄の特殊補充券は本来は前売りに対処していない、ということなのではないかと思われます。
実は、あくまでも風のウワサなのですが、近鉄には様式として「補充特急券」というものが存在しているらしいです(☆o☆)。単なる推測ですが、そちらであればこのような券面上の矛盾というものはないのではないか、という気もします(^^;;)。ただし実際にはそんな細部が問題になることもなく、特殊補充券で代用しているのでしょうね(^^;;;)。
(個人的には、だからといって無理矢理「補充特急券を出せゴルァ」と言うつもりはまったくないのですが、もし黙ってても発行していただけるのならぜひまた実乗したいところです!!(^^;;;))


そしてその特急券と併用すべく、乗車券はO型をも越えようと企てて失敗した単なるO型乗車券と、その後改めてチャレンジし見事にO型を越えた「ありえない」乗車券です。

上記O型特急券は大和八木→大和八木ですが、当然、これと併用する乗車券は(1枚で買うならば)同区間を含んでいなければならず、必然的にO型かP型の乗車券である必要があります。
そして私は考えました。ぉっ、これはもしや八木西口→八木西口の出番か? と。

速報では何度も書きましたが、歴史的経緯より、八木西口と大和八木駅は運賃計算上同一の駅とみなし、大和八木発着の乗車券で八木西口を利用することができます。また、大和八木-八木西口間の相互利用の場合は自動券売機で最低運賃のきっぷを買っての乗車のみ認められ、相互間の乗車券は発売しない、という扱いとなっています。
しかしその一方で、八木西口駅で補充券を求める場合、かつてはその扱いどおり、発着駅は八木西口ではなく「大和八木」と記載されていたのですが、数年前より、補充片道券・補充往復券の発駅記載が「八木西口」と印刷されたものに更新されました。
この改版により、「八木西口から環状線一周で八木西口まで乗車しようとした場合、出てくるきっぷはどうなるのか?」という問題が発生したわけです。
実際は、ネット上には諸先輩方による「八木西口→大和八木」という補片の発行要求がことごとく断られている、という体験談もあり、「もももしやO型ではかかか可能なのか!?!?」と妄想してしまったというだけなわけですが。

そしてこの件についておまじないを唱えた(^^;;)ところ、最初の天のお告げ(^^;;)は「大和八木→大和八木という乗車券で八木西口→八木西口とラケット型乗車ができるらしい」「八木西口でそう乗れる乗車券を発行してくれるらしい」というものでした。
私としてはこのお告げを信じ、当日八木西口駅に向かったのですが…
駅員さんは管理駅たる大和八木駅の助役さんと電話でしばし相談。待ったあげくの結論は「売れません」…
あぁなんてこったい、お告げは幻だったのか、と落ち込みつつも、有効なO型特急券の発車時刻は刻一刻と迫ります(涙)。やむなく駅員さんの指示「大和八木駅の窓口で乗車券をお求めください」に従い、片道5分の道のりを歩いて大和八木駅へ。発券お願いメモに以前購入した近鉄O型きっぷのスキャン画像を張り付けておいたのですが、大和八木駅青窓口にはすでに通報しますた状態だったらしく(^^;;)「以前発行のきっぷの例をお見せ下さい」とか思いっきり言われまして(^^;;;;;)、それで割合スムーズに発券された、というのが、左側の画像の補片、ということになります。

対するに右側は、まさに求めていたものがついに発券されました、な代物に他なりません(^◇^)
やはり引っかかりが残ったため、GWを前にして2度めの念力を送ってみたのですが、2度めのお告げは「八木西口駅に念力を掛けておいたので安心されよ」というもの。そのフォースに脳内の袖を涙で濡らしつつ、その旨を追記したメモを携えて八木西口駅に再度向かったところ、今度はむちゃくちゃスムーズに、ついに「ありえない」補片が発行されたのでした\(^O^)/\(^O^)/

なおいずれの実乗でも、経路は八木西口→大和八木→鶴橋→大和西大寺→八木西口です。つまり、実乗ルートはラケット型でなく只の字型、つまり2本枝を複乗しています。
八木西口-大和八木間は同一視によるもので形式的には複乗になっていません。対するに布施-鶴橋間は分岐駅通過特例による堂々の複乗です。


奈良県内最短O型きっぷ。JR五位堂→JR五位堂、発行JR五位堂、スタンパーJR五位堂という「1枚4JR五位堂」なマルス券となっております。笑

どこを発着にしようかと悩みましたが、やっぱりここはルート上最長駅名駅にしよう、ということで、上記近鉄ありえないの実行前に18きっぷでJR五位堂駅に寄り購入しました。
駅員さんは1人。つまりみどりの窓口で途中下車不可の酔狂なきっぷを求めようとしている人物=さきほど出場時に18きっぷで降りた人物とまるわかりで、案の定「そのきっぷで乗れますよ(^^)」と案内されたのですが、「こういうきっぷで全国乗るのがシュミなんです」と申告し無事すりぬけられました(^^)。さらには補正禁止操作をお願いし、「補正禁止機能使うのはじめてですよ(^^)」とのコメントとともにぶじ発券されたのが↑だったわけです。
実乗は、近鉄ありえないが夢破れた(T_T)後ふたたび同駅を訪れ、同じ駅員さんに大歓迎されまして(^O^)ごろにゃーんしまして自動改札を通さずにスタンパーも押していただき、ラストも大々歓迎されまして実にキブンよくO型プチツアーを楽しめたのでした。
あぁ、補正禁止は使用禁止とかのたまってるドアフォ「U駅のGS」にこの駅員さんの爪の垢煎じて飲んでいただきたいものですね。ホントに。謎

#この記事より、制度系さんの「近鉄の補充特急券 」にトラックバックさせていただいております。

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この記事へのコメント
Re: 近鉄O型特急券、「ありえない」補充券、奈良県内最長O型きっぷ

トラックバックありがとうございました。

特殊補充券で特急券を発売する場合は、JRの料補の記入例に倣って有効期間欄はまつ線を引いて発売するのが正当だと思われます。また、普通乗車券を前売りする場合については、有効期間欄を記入したうえで、いわゆる「から通」を押印するという取扱いになるのではないでしょうか。

問題の補充特急券ですが、乙片には区間と金額しか記入することができないため、発券後の席番記入ミスに対応できないことや、また8桁の符号を複数記入する欄がないなど、実務上の問題がいろいろ想定されます。そのような理由からも、特殊補充券対応とするのがベターなような気がします。

From : catalytic @ 2008-09-13 04:27:51 編集

Re: 近鉄O型特急券、「ありえない」補充券、奈良県内最長O型きっぷ

いつもながら適切なご指摘ありがとうございます。よく考えたら国鉄では特別補充券で料金券も発行してたんですからそれと似た様式で記述すればよいんですよね。
ASKAで出せない特急券は必ず複数列車になると思われますので、そういう意味合いからも特殊補充券が使われるのでしょうね。

From : いずみ@網干行 @ 2008-09-13 13:58:26 編集

Re: 近鉄O型特急券、「ありえない」補充券、奈良県内最長O型きっぷ

はじめまして、きんてつじろうと申します。
私は、以前より、近鉄線全駅の手書きの切符(補片、補往、特殊補充券)を集めていました。
一応は、昭和60年代以降はほぼ集まりましたが、以前あなた様のこの記事を読ませていただき、目からウロコ状態になりました。収集の時は最低区間のさら小児運賃での発行依頼だったので、O型切符など考えもしませんでした。
八木西口駅もご承知のように、以前の印刷表記から変わり、八木西口となり、その分も、
収集していましたが、26日にいってまいりました。
駅員氏に販売依頼をすると、慣れたように?「本社に確認します」と、電話をし、ようやく
販売となりました。
八木西口→大和八木 これは、ほんと盲点でした。
いずみさんは全国的に活動され、うらやましい限りです。
私は、近鉄オンリーで、乗る、撮る、集めるとやっています。
また、大阪に来られた時は、絡んでください。

From : きんてつじろう @ 2012-01-27 00:50:37 編集

Re: 近鉄O型特急券、「ありえない」補充券、奈良県内最長O型きっぷ

コメントありがとうございます。
私の場合は、特補を収集するというよりも、JRであれば途中下車印をたくさんいただけてインクの乾きも早い、というメリットで出補を狙うのと、あとO型きっぷの場合は「民鉄ではすべて補充券でしか出せない」という事情で結果的に特補になる、という状態なのですが、ご指摘の八木西口→大和八木だけは、正直、狙って買いましたです(^^;;)
基本的に、近鉄は、「それが規則上不当ではなく、会社の増収につながるのであれば、何でも売ります」という姿勢がかなり強くでていますので、さらに有人駅も多いわけですから、収集意欲をかきたてられますよね。ありがたい事業者です。

From : いずみ @ 2012-01-28 19:59:53 編集

Re: 近鉄O型特急券、「ありえない」補充券、奈良県内最長O型きっぷを

近鉄の旅客営業規則を個人的に持ってます。私的にはありえます。
端末機が故障になったときとかに
かなりむかしは南海電鉄さんでちいさなえきから乗車券センターに電話してサザンやこうやの特急券を特殊補充券やらで発売してましたね
汐見橋線の西天下茶屋で発売されたのはもってます。
近鉄の補充特急券ですが。大晦日から正月にかけての深夜特急に補充特急券は専用窓口を設置して発売してます。
代表格は古市ですが。春から特急がとまるし
ことしから端末機によるのにかわるかな
補充片道や往復は一部線区より消滅してますね。寂しい限り 近鉄は硬券がないし補充片道があじを出してましたし 大昔は補充連続なるもんが存在してましたし 資料室で閲覧した旅客営業規則にはありましたね 特殊補充券タイプの車内補充券も存在してましたし これはおもに国鉄長距離用に存在してました 鉄道省時代のなごりからか 昔は近鉄の駅でも全国の駅の連絡切符が買えましたし いまは補充券いうのは無人化やらで消滅する時代
特殊補充券を良くみて下さい。近鉄の社紋の透かしがある思います。これは関西私鉄の古き良き伝統 南海電鉄さん以外はみな昭和40年後半までありまして。
近鉄のは残念ながら合理化で最近になりだしてから消滅する時代になりました。
特急の回数券からも一時消えてましたが。偽造事件があり復活した歴史がありますが。ホログラム印刷の影響から消えると思われます。補充片道や往復にもありましたが。10年前に消滅してますね。こだわればこだわるほどに味はあります

From : 師水直和 @ 2012-04-09 20:16:21 編集

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