2008/03/02
神戸新交通・神戸市営・大阪市営・阪急のO型ルート乗車時に使用したきっぷ
すみません、今日昼までダウンしていたため、いつものこととはいえ、3月からのきっぷスキャン紹介公約はさっさと破られましたm(__)m
で今日は夜まで、新ダイヤでの今後の旅行計画をちょこっと立てたりしつつ、ようやく、昨年12月の「関西がっつりO型きっぷ&ルートツアー」の、O型ルート乗車で使用したきっぷ紹介をまとめることができました。
(同ツアーで使用した、発駅=着駅が表示された「ホンモノの」O型きっぷについては、→こちらのエントリで既にレポート済みです)
なお、今回は、画像紹介の前に一席ぶたせてください(笑)。
というのも、そもそも「O型乗車とは何ぞや?」という問題を考えさせるO型ルートが、今回の紹介分に集中しているためです。(^^;;)
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かつて、関西でこんなことがあったらしいのです。
今は亡き奈良ドリームランドで、東芝が東芝式モノレールの実証実験線として8の字型の路線を敷き、駅は1つで1周しておしまい、というのを作って、運輸省に地方鉄道法に基づいて免許を申請しました。
前例のないこのような申請に対し、運輸省が出した答えは「却下」。奈良ドリームランドモノレールは、園内の遊戯施設として扱われることとなりました。
その理由は、「鉄道事業は異なる2点間を輸送するもので、1周して同じ場所で下車させるのみの形態は認められない」ということだったようです。
事実、この後環状のみの路線を有する「遊戯施設」的地方鉄道は、よみうりランドモノレールにせよ大阪万博モノレールにせよ、今のネズミーにせよ、途中駅が設けられて「2点間輸送」条件を満たしています。
で、問題はO型ルートです。
JR以外の多くの鉄道事業者では途中下車を認めていません。つまり、「同じ駅から乗って途中下車・途中出場せずに同じ駅に降りる」というO型ルート乗車をはじめから目的とする乗車は、当時の運輸省が定めた「輸送」概念に明らかに反する乗車方法、ということになってしまいます。
実際には、O型ルート上には必ず別の駅があるため、「気分が変わったのでその駅で下車前途無効なり区間変更なりで出場」という可能性がある以上、実際にO型ルートの乗車を完全に終えたその瞬間にこの問題は発生することになり、逆に言えば乗車開始の時点では「問題が必ず発生する」とは言い切れないわけです(この問題は、O型きっぷではなく、金額式片道乗車券でO型ルート乗車を行おうとする場合にのみ発生の可能性があることに注意。金額式だからこそ、「必ず発生するとは言い切れない」)。
ということなので、一応それらしく並べてみると、
- 旧運輸省の方針(らしきもの)に形式的に忠実な運用→O型乗車禁止(西武、富山地鉄)
- 柔軟な対処→O型乗車可(阪急、名鉄?、名古屋市営)
- 途中出場可能駅あり&規則で明示→O型乗車可(都営、神戸市営)
- かつて途中下車制度があった→現在もO型きっぷ売ります(近鉄、東武、名鉄?)
- 規則作成上のミス?→O型乗車可(大阪市営)
- かつて均一運賃のラケット型運転だった→現在もO型乗車可で自動改札も対応(神戸新交通)
- 途中出場駅で事実上の時間制限付き途中下車制度を持つのに…→なぜかO型乗車禁止(東京メトロ)
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というわけでようやく本題。まずは去年12月8日に市民病院前駅からO型乗車した、神戸新交通O型ルート用きっぷです。
現在のところ、自動券売機で買った金額式きっぷで、O型ルートを乗車した後自動改札機から出場できる鉄道事業者は条件により4社。それらのうち2社(山万・ネズミーライン)は「均一運賃」ですので、そうでなくてしかも自動改札対応というのは2社で、それがまさにこの日乗車した、ここ神戸新交通とこの後紹介する神戸市営地下鉄、ということになっています。
そして神戸新交通は、かつては「♪ぽ〜お〜と〜ぴあ〜」と唄われた(笑)ポートアイランドのためのこうつ手段として、三宮から出発してポートアイランド内を片方向で周回し三宮に戻る、他で言えば山万と同じラケット型で開通し、そのときはやはり山万と同じ均一運賃でした。なので、定額のきっぷを自動改札が呑みこむということも自然な形態だったと言えます。
しかし、神戸空港開港に合わせ、周回線部分から枝分かれする形で空港アクセス線(私が勝手につけた通称)が出来、これに合わせて運賃も対距離区間制に変更されました。
しかし神戸新交通が太っ腹だったのは、対距離区間制ということであれば、環状線一周乗車をそれまでどおり認める代わりに、環状線一周部分の営業キロに基づいてその運賃を求めるように自動改札機を実装することが当然可能だったのに、そうせず、「1区200円で自動改札から出場できる」と粋なはからいをしてくれたことです。
これが、「O型乗車の対距離区間はゼロ」という発想なのか、「これまで均一運賃=最低運賃だったから1区ということにした」のかは不明ですが、とにかく、わざわざそのような実装を行った神戸新交通は、O型マニア的にはネ申である、と言えるとは思います。
というか、これ、旅客営業規則を閲覧させていただいた方がよいですよね、どう規定されているのかが。
わざわざそう改札を実装したのに規則にない、っていうのはちょっと考えられませんから…
実際の乗車は、やはり分岐駅からはじめたのでは面白くない、という、単なるひねくれた発想から、当初予定を変更して市民病院前駅まで移動。そこから、まずはわざわざ神戸空港行きに乗り、分岐駅の市民広場前駅から循環の三宮行きに乗り、中公園駅からまた神戸空港行きに乗り換えてO型ルート乗車を達成。駅名が「病院」とだけ印字された(よく考えるとこのあたりも山万と似てますね)200円きっぷはぶじ自動改札機へと吸い込まれて行きました。
やはり自動改札から出場できる(ただし条件付き!)、神戸市高速鉄道、すなわち神戸市営地下鉄(以下、神戸市営)の旧居留地・大丸前駅から試みたO型乗車用の諸きっぷです。
左から順に、下調べせずに買ってしまい途中の三宮駅の自動精算機に吸い込まれた(T_T)きっぷ、その自動精算機から精算額0円で発行された区間変更券、最後に状況を理解して正しく旧居留地・大丸前駅の自動改札に吸い込まれたきっぷ、です。
神戸市交通局は、他の公営交通と同じく、営業規程にあたる条文である神戸市高速鉄道乗車料条例施行規程がネット上で公開されています。
そして神戸市営は、三宮駅と三宮・花時計駅を90分以内に徒歩連絡(けっこう距離ありました…:なお新長田駅はラッチ内乗り換え)することで(同規程第8条7項)、運賃計算時の営業キロを通算できますが、なんと、「環状線部分を有する民鉄で全国唯一」、「乗車経路どおりに運賃を計算する」こととされています(第2条2項)。さらに、O型乗車が、JRと類似の論理により認められています(第2条3項(1))。
さてさて、というわけで、「規則上確実に大丈夫だからなんとかなるはず」とタカくくって旅に出たわけですが、ゆきのMLながら車中にて、Tatsumiさんより「環状線部分を乗り継ぐ場合、乗換駅を指定して乗車券を購入」「ということは自動改札通過可能では」とのコメントをいただき、「おお、これは自動改札かっ!?!?」と、神戸新交通に合わせて連続自動改札出場技が可能かとコーフンしていたのです。
しかし実際に乗ってみたら、たつみんさんのコメントは大正解、かつ私の最初の乗車は大失敗というトンデモナイ結果に終わってしまったのです。。。
神戸新交通の三宮駅から、てくてく歩いて旧居留地駅へ。そしてO型ルートの運賃が330円となることは事前にわかっていたので、行程表で公開していた予定のとおり、「新長田のりかえ」を指定しての330円きっぷを購入し、意気揚々と海岸線新長田行き、そして新長田駅でラッチ内移動をして山手線新神戸行きに乗り、さぁ乗り換えのため三宮駅の有人改札にまわったところ…
駅員さんの答えは「あっ、それは確か対応はしてるはずだから、精算機で区間変更扱いにしてみてください」!!!
えーーーーーっ!?!?
何がどう区間変更なのーーーーーっ??
…と泣きたくなりましたが、とにかく言われたとおりにしたら、果たして上記の「精算額0円の区間変更券」が出てきまして、これは自動改札から無事吐き出されました。
そしてさらにこのきっぷで花時計駅の自動改札から入場でき、O型ルート終点の旧居留地駅の自動改札にも無事吸い込まれては行きました。
しかし私はあきらめない!(あぁ、このころはパワーあったなぁ。。。)
花時計駅へと早足移動中、私の脳がはじき出した推論は「はじめに三宮駅の自動改札経由で乗り換えておけば、区間変更券なしでもダイレクトに出場可能ではないか?」
そしてその推論は見事に当たり、旧居留地駅でただちに「三宮のりかえ」の330円きっぷを購入、花時計駅自動改札から出場して三宮駅自動改札から入場、新長田をまわって、確かに旧居留地駅の自動改札に吸い込ませることができたのでした。
よくよく考えれば、これは「環状線一周部分に1か所のみラッチ外乗り換えがある」という条件を考えれば、納得の行く実装ではあります。ほとんどの乗客は、三宮・新長田の両駅で乗り換えるはずがないわけですから、そういう特殊なケースを区間変更券で対処することにより、「乗車経路どおりに運賃計算」が実装でき(もちろん複乗までは検知しようがありませんが(^^;;))、さらについでに「環状線一周の降車」をも完全無人で対応可能とすることができているのでした。
あるいは、三宮という巨大商業地域を「90分以内」で回遊もできるのですから、もしかすると本当に環状線一周の実需があったりするかもしれませんね!
昨年12月9日夜に実乗した、大阪市高速鉄道、すなわち大阪市営地下鉄(以下、大阪市営)の最長および最短O型ルート乗車時のきっぷです。
大阪市交通局の各種規程もネットで公開されていますが、ログインしないと読めませんので興味のある方はログインしてチェックをいただきたいのですが、実は大阪市高速鉄道の施行規程には、環状線一周乗車のの可否どころか、そもそも、複乗を禁止する条文が存在しないようなのです!。
そして、O型乗車の可否について交通局に直接ご検討をいただいた結果、「禁止する規程が存在しないため乗車を認めざるを得ない」「乗車駅と同じ駅で降車する場合、1区200円での出場を可能とする」「ただし、規程により、2区以上の額の乗車券を所持し出場する場合、1区分との差額は返金できない」「出場時は有人改札で事情を要説明」ということになりました。。。
というわけで、上のきっぷはいずれも200円となり、どちらが最長も最短もなにもありません(^^;;)
また、大阪市営では、複数の路線が碁盤目状になっていることもあり、運賃計算は各線ごとの営業キロではなく、各駅間に設定されている擬制キロで行うことになっています。
このあたりについて、もし環状線一周乗車のルールが名古屋市営地下鉄のように「実乗で計算」だった場合は擬制キロ最長のルート、そうでなければ営業キロ最長のルートで回ろうと、念のため両方を算出しておいたのですが、これが見事に微妙に異なっていまして、結局今回は「料金が関係しないので営業キロ最長での乗車をしよう」ということにしました。
ルートは以下のとおりです。
赤が最長で営業キロ合計62.2km、水色が最短で営業キロ合計3.1kmとなります。
なお最長は、擬制キロで計算した場合、森ノ宮を蒲生四丁目-緑橋間に挟むルートになり、擬制キロ合計は60.8kmとなります。
実際の乗車における出場時の対応ですが、なんば駅では思いっきりイヤミられ、中崎町駅では深夜につきインタフォン呼び出しにもかかわらずすんなりと出場させていただきましたです。
あと、この日はその前に嵯峨野観光・近鉄最短・近鉄最長とまわった後だったため、最長完遂時にはもうホントに疲れ切りました…(でも結局その後寝たのはまん喫、やっぱりこのころは元気だった…)
昨年12月10日朝に乗車した、阪急O型ルート用きっぷ。
阪急には、十三-宝塚-西宮北口-十三という環状線部分がありますが、ここを一周する乗車に関しては「実乗営業キロにあたる5区390円のきっぷを買って乗車し、有人改札から出場してください」とのご指導ご鞭撻を賜りました(…いやはや、実は直電来たんですよ!(☆o☆))。
んでもって、どのみち平日朝の職場直行前の乗車なので、平日朝ラッシュ時のみ使われている西宮北口通過わたり線にも乗ろう、ということで、まず一番電車で外回りをし、終了後ただちに内回りをして宝塚発短絡線準急に乗る、つまり十三→十三→十三と2周してきました。(上記きっぷは1周めに使用したもの)
しかしこの2周で、出場時の対応は全く異なりました。
まず1周めでは若い怖そうな駅員さんにウソっこ言われました! が抗議して出場。
しかし2周めではベテラン駅員さんにとってもご丁寧にご対応いただけ、9種11周もの関西O型乗車(って今から考えるとホントにドアフォやな…>じぶん)を気持ちよく終えることができたのでした。
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