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2010/12/23

武蔵小杉開業後の東京近郊区間最長O型ルート厳密解算出出来

横須賀線武蔵小杉駅開業に伴いルートが変化することが予想された東京近郊区間最長O型大回りルートの厳密解を計算しましたので、報告いたします。

といっても、去年末の段階で漏れ伝わってきてた営業キロ情報が正しかったため、計算自体は昨年末の試算と同じ結論です。

2010年 東京近郊区間最長O型大回りルート(複乗なし)
まず、特例利用なしの最長O型ルートは、昨年末の1014.6kmからさらに延びて1018.4kmとなります。今年のルートの鶴見-品川間で品鶴線と東海道線の両方を通過できることになるため延びたものです。

2010年 東京近郊区間最長O型大回りルート(特例複乗あり)
一方、複乗特例アリは、日暮里-東京特例利用の場合の特例なしルートで1009.3km、特例込みの実乗キロが1023.5kmとなり、昨年末の1027.3kmより縮減され、複乗なし最長ルートとのキロ程差がかなり接近してしまいました。こちらは言うまでもなく、鶴見-府中本町間で品鶴線-東海道線-南武線が取れず、鶴見線-南武2-南武線-東海道線-品鶴線-南武線となるためです。

で、その結果、キロ程は減るのに鶴見線経由になって時間はよりかかってしまうという事態になってしまったのでした…orz

もちろん以下には、毎度おなじみのしつこい厳密解論証を記しておきます。興味のある方のみどぞ。(誰か居るのか??笑)

はじめに

今回の論証も、ルート自体が昨年とほとんど変更がないことから、昨年の証明とまったく同様に論証可能である可能性が高い、との推論に基づき検証し、実際にそうなりました。
ただし、いくつかのパターンでアバウトな見積もりによる絞り込みができなくなっており、論証の総量は増えています。

特例を列挙

まず、東京近郊区間内で、規則上および計算上、区間外乗車可能な区間および往復の営業キロは以下のとおりです。(左側が分岐先、中央が分岐駅、右側が区間外乗車可能な限界駅)

  • 常に利用可能
    • 常磐線・東北本線-日暮里-東京 11.6km
    • 尾久・それ以外-日暮里-上野 4.4km
    • 新川崎以遠(品川以遠を除く)・それ以外-鶴見-横浜 14.2km
    • 湘南新宿ライン・田町以遠-品川-大崎 4.0km
  • 分岐駅を通過する列車に乗る場合のみ利用可能
    • 八高線・高崎線-倉賀野-高崎 8.8km
    • 横浜線・東海道本線-東神奈川-横浜 3.6km
    • 中央線・山手線または京浜東北線-神田-東京 2.6km
    • 中央線・山手線または湘南新宿ライン-代々木-新宿 1.4km

今回特例を含めると最長となると思われるルートの複乗なし営業キロ合計は1009.3kmとなり、このルート上では上記一覧のうち日暮里-東京および神田-東京が該当し、それらを加えた実乗キロ数合計は1009.3 + 11.6 + 2.6 = 1023.5kmです。
これが最長か否かを(「たぶんこれが最長だろう」という予測のもと、厳密さを損なわずに)確認するには、他の特例が成り立ち得る最長ルートをそれぞれ求め、その各々に別の特例を適用する、という作業を行わねばなりません(ここで注意すべきは、「特例Aを必ず使う条件で求めたルート上に存在するすべての特例を加算して1023.5kmと比較する」という手法は誤りであることです。例えばそのルートで特例Bが使え特例CDEが使えなかったとして、複乗なしにおけるそのルートの次点となるルートで特例BCDEすべてが使えたことによって総計が逆転することがあり得るからです)。

鶴見-東神奈川-横浜の特例は利用できない

以下、1023.5kmのルートを「暫定最長」とします。
まず、数値を稼げそうなところで、鶴見-横浜間を見てみます(この特例はいわゆる「日暮里・鶴見問題」含みのため、発着駅は一定程度限定されます。武蔵小杉から南武線に抜ける経路を採らない場合、発着駅は武蔵小杉または西大井に限られてしまいます。ただ、O型きっぷの場合、逆に西大井から開始すればよいだけなので問題になりません(唯一、両方を同時に満たすことができないだけ))。

これを利用するためには、武蔵小杉-品鶴-鶴見を通り、川崎-東海道-鶴見または鶴見-浜川崎-尻手のいずれかを必ず通る条件式を付け加えればよいわけです。(枝1=1かつ枝2+枝3=1という条件式になります)
そしてこの条件での複乗なし最長O型ルートを求めたところ、前者では970.0kmとなりました。(ちなみに武蔵小杉から立川へ抜けているため、結果として「日暮里・鶴見問題」には該当しませんでした)
そしてこれに、全特例(重複する日暮里-上野・東神奈川-横浜を除く)の往復キロを単純にすべて加算しても970.0 + 42.6 = 1012.6km。つまり、この特例を用いた任意のルートは「暫定最長」を超えません。

次に、上例と一部重複する東神奈川-横浜について、新横浜-東神奈川および東神奈川-鶴見を必ず通るように計算したところ最長ルートは982.9km。これに全特例(日暮里-上野・鶴見-横浜を除く)を加算しても1014.9kmで、やはり「暫定最長」を超えません。

というわけで、まずこれら2考察から、鶴見-横浜・東神奈川-横浜の2特例は、ルート上に含んでいた場合に「暫定最長」を超えない、すなわちまったく利用できないことがわかりました。
よって以降の考察では、特例のうちのこの2つはすべて「単純加算」から除外できることとなります。

尾久駅発着の特例は片側のみ考えればよい

続きまして、「日暮里・鶴見問題」の片割れである、尾久駅を発着とする場合を考えてみます。
この場合、尾久駅は分岐点ではないので、尾久駅発着=尾久駅通過として計算すれば問題ありません。つまり、赤羽-東北-日暮里および、日暮里-田端または日暮里-新松戸を必ず通るという条件を加えて計算します。
ここは結果論的に、まとめた条件式とせず計算しますと、日暮里-田端を通過する場合の結果は998.6km。これに重複を除いた日暮里-上野・品川-代々木・倉賀野-高崎・神田-東京・代々木-新宿の合計21.2kmを加えると1019.8kmとなり、「暫定最長」を超えていないため最長にはなりません。
一方、日暮里-新松戸を通る条件では1003.7km+21.2=1024.9kmとなり、この場合は個別計算が必要となります。

日暮里-東京の特例で絞り込み

これも含めて以降、結果論としては単純に処理ができません。
尾久通過の場合は別途考えることとし、尾久を通過しない場合の特例でしかも長距離である日暮里-東京について、分岐点としての日暮里に着目します。
日暮里から出ている枝は4本ありまして、尾久通過を除外した3本の枝のうち「どれも通過しないかうち2本を通過するか」という組み合わせとなりますので、それらについてad hocに考えてみます。
「暫定最長」は、複乗なしであれば田端-日暮里-新松戸ルートですので、これがおそらく最長でもあろうという予想から、それ以外のパターンについて考えます。すると、3本の枝のうち上記以外のものは「まったく通過しないか日暮里-秋葉原を必ず通過するかのどちらか」です。

まず「まったく通過しない」ですが、これは1000.3kmとなりました。
これは日暮里-東京の特例利用不可となりますので、単純加算すべき品川-大崎・倉賀野-高崎・神田-東京・代々木-新宿の合計16.8kmを加えて1017.1kmで不可です。
次に「日暮里-秋葉原を必ず通る」ですが、これは当然に複乗なし最長O型ルートの1018.4kmとなり、単純加算すると「暫定最長」を超えるため個別対処が必要です。

というわけで、ここまでの中間結論としては、「(A)田端-日暮里-新松戸を通り、日暮里-東京複乗を加算できる」、「(B)尾久-日暮里-新松戸を通り、日暮里-上野複乗を加算できる」「(C)日暮里-秋葉原を通り、日暮里-東京・上野複乗を加算できない」かのいずれかが候補となりましたので、それを前提としつつ、残りの4特例について個別で考察をしていきます。

倉賀野-高崎の特例は全面排除はできなくなった!

倉賀野-高崎複乗を利用する場合ですが、条件として「高麗川-倉賀野および倉賀野-熊谷を通り倉賀野-高崎を通らない」を加えますと、最長は1002.9kmとなります。これに条件の複乗分を加えて1011.7km。
このルートは(C)で、その合計は1011.7+16.8=1028.5km未満になり得るため、去年までとは異なり、更なる計算が必要となってしまいました(^^;;)
一方、(B)を条件に追加して計算すると988.2kmとなりこれに複乗を加えて988.2+16.8+4.4=1009.4km、これはNGです。
(A)も993.8kmとなり、複乗分の最大16.8+11.6=28.4kmを加算しても1022.2kmでギリギリ範囲内となります。

残りを総当たり戦してもすぐには結論が出なかった!!

残るは倉賀野-高崎複乗を利用しないパターンです。これには「倉賀野を全く通過しない」「倉賀野-高崎を通る」の2通りがありますが、後者はまさに「暫定最長」パターンなので前者のみ計算し、902.3kmで論外です。

これで残るは「高麗川-倉賀野-熊谷を通り、(C)」または「倉賀野-高崎を通り、(A)(B)(C)のいずれか」です。これらで考慮されていない特例は残り3区間・総計8.0kmで、これらについて総当たり戦を行います。

  • 高麗川-倉賀野-熊谷&(C)&品川-大崎 989.1km+8.0=997.1km
  • 高麗川-倉賀野-熊谷&(C)&代々木-新宿 1002.9km+8.0=1010.9km
  • 高麗川-倉賀野-熊谷&(C)&神田-東京 992.5km+8.0=1000.5km
  • 高麗川-倉賀野-熊谷&(C)&いずれも利用しない 994.2km
  • 高崎&(A)&品川-大崎 997.4km+8.0+11.6=1017.0km
  • 高崎&(B)&品川-大崎 993.0km+8.0+4.4=1005.4km
  • 高崎&(C)&品川-大崎 1004.6km+8.0=1012.6km
  • 高崎&(A)&代々木-新宿 988.7km+8.0+11.6=1008.3km
  • 高崎&(B)&代々木-新宿 985.8km+8.0+4.4=998.2km
  • 高崎&(C)&代々木-新宿 1018.4km+8.0=1026.4km ←!!!
  • 高崎&(A)&神田-東京 1009.3km+8.0+11.6=1028.9km ←!!!
  • 高崎&(B)&神田-東京 1003.7km+8.0+4.4=1016.1km
  • 高崎&(C)&神田-東京 1008.0km+8.0=1016.0km
  • 高崎&(A)&いずれも利用しない 1008.2km+11.6=1017.8km
  • 高崎&(B)&いずれも利用しない 1002.6km+4.4=1007.0km
  • 高崎&(C)&いずれも利用しない 1009.7km
…というわけで、「暫定最長」より大きい可能性があるのは「高崎通過かつ(C)かつ代々木-新宿利用」「高崎通過かつ(A)かつ神田-東京利用」の2とおり出てしまいました。

ただ、ここからの結論は容易に出ます。
まず、「暫定最長」と明らかにパターンが異なる「高崎通過かつ(C)かつ代々木-新宿利用」、要するに複乗なしの最長そのものですが、これに代々木-新宿以外の2区間を含んだルートは、絶対に、1012.6km・1016.0kmを上回ることはできません。
なのでこのパターンの実際の実乗キロは、代々木-新宿往復のみを追加した、1018.4km+1.4=1019.8kmとなり、「暫定最長」を下回ります。
同様に、「暫定最長」と同じパターンとなる「(A)かつ神田-東京」についても、残る2区間を含んだルートは、1017.0km・1008.3kmを上回ることはできないため、「(A)かつ神田-東京」の中に存在する「真の最長」は、「日暮里-東京および神田-東京のみを利用し、他の特例は利用しない」というものであるはずです。
これはまさに、「暫定最長」そのものです。

よって「暫定最長」こそが「真の最長」そのものである、と結論付けられました。

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