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2008/03/19

阿武隈急行O型&ニセO型きっぷ&ただの連絡きっぷ

今年1月3日、福島-槻木-福島を3周した阿武隈急行O型&ニセO型きっぷツアーで行使したO型きっぷ・ニセO型きっぷ等を紹介します。

なお、今回のツアーは、否、「ニセ」概念自体が、タカタカBさん「福島→福島 連絡乗車券」にインスパイアードされて誕生したものです。タカタカBさん、ありがとうございます。


(北)白石駅みどりの窓口で発券された、(北)白石から(北)白石までの、阿武隈急行通過連絡O型きっぷです。
これはもう、東北本線白石駅発着の「真の」O型きっぷとなります
白石駅の自動改札から入場し、槻木から阿武隈急行線を通過して、福島駅からふたたび東北本線に戻って白石駅より出場したものです。

阿武隈急行線はもともと国鉄時代、東北本線(その当時は単線非電化)の勾配緩和バイパス線として「幹線規格」での建設がはじまり、槻木から丸森まで部分開業してみたもののその後東北本線を複線電化することになって話が止まってしまいかつ既開業分は大赤字路線になり廃止対象になったところ、第3セクター(自体の設立までもいろいろあったようですが)でようやく開業しました、という路線です。
全通時から電化されており、もともと福島駅から5km近くの間で東北本線と線路を共用していることもあり、JRへは郡山まで・仙台までそれぞれ乗り入れをしていたこともあり(現在は仙台までのみ)、あたりまえのように通過連絡運輸が設定されています。通過連絡の範囲はそれなりに広く、たとえば東京都区内-鳴子御殿湯駅なんて乗車券を阿武隈急行経由で買うこともできたりします。
東北本線では、前述の都区内、大宮、宇都宮のほか、新白河-石越間、すなわち「阿武隈急行が存在する福島県および宮城県」内の全駅が含まれており、白石-白石という通過連絡O型きっぷは、槻木を先に経由するものも福島を先に経由するものも発売可能となっています。

きっぷの様式としては、まず白石の駅名が「(北)白石」となっていることです。
これは、JR内に「白石駅」が3駅あり(他は函館本線・肥薩線)、それらを区別するために駅名の前に線名を表す「北」「函」「肥」が付加されることになっているためです。
そして経由欄を見ますと、阿武隈急行の文字はどこにもなく、「東北・槻木・(北)福 島・東北」と、通過連絡の接続駅である槻木および福島の駅名が印字されています。
福島駅にも(北)が付加されていることはここでは華麗にスルーして、気になるのは「福 島」と途中に無意味なスペーシングがなされていることです。なぜなんでしょうか…

実乗に際しては、途中下車した「やながわ希望の森公園前」駅の駅員さん(簡易委託なのですが出改札も行っておられました)に「これ、100km以上なので途中下車できると思います…」と申し述べたところ「…あぁ、有効2日だから大丈夫。」と、たぶん国鉄OBの方かと思いますがさすがの判断でした(^o^)
また、実際にはこのきっぷでの乗車は、以下の「ニセO型きっぷ」の乗車を白石で途中下車してから開始したものなのですが、そのニセO型きっぷを槻木駅でチェックした若い車掌さんが今度は福島駅のJR乗換改札におられ、「おっ、今度は白石から白石ですか!がんばってください!!」と声をかけていただけております(*^__^*)


前者がいわゆる「阿武隈急行ニセO型きっぷ」、後者が何の変哲もない単なるJRから阿武隈急行への連絡運輸きっぷです。

これらはルート的にはまったく同じで「福島-槻木-福島」というもので、ただし前者は阿武隈急行→JR、後者はJR→阿武隈急行という形で向きが異なります。そして、いずれも阿武隈線を「間にはさんで通過」してはいませんので通常の連絡きっぷとなり、阿武隈急行が先の前者は阿武隈急行でしか発売されませんし、JRが先の後者はJRでしか発売されません(実際には、どちらの機械でもお互いに発行できてしまいそうですが、少なくとも規則的にはNGのはず)
券面表示の方は、前者では阿武隈急行福島駅とJR福島駅とが表示上区別されていないため「福島-福島」というO型きっぷに見えますが、後者ではJR福島が「(北)福島」、阿武隈急行の方が「福島」と区別されているため、O型きっぷでない表示になっています。

ここでようやく「ニセO型きっぷ」という概念が登場です。

連絡運輸乗車券においては、JRと会社線の駅が同名駅の場合、会社線の駅名に社名などを冠することで区別をつけている場合がほとんどのようです。
このあたり、「歩く時刻表」さん「連絡運輸・他社線単独」カテゴリに多数の実券画像が掲載されていますのでご参照いただきたいのですが、通常、社線側の同名駅には会社線名が付加されます。たとえば「(小田急線)新宿」とか「(相鉄線)横浜」とか「(メトロ線)北千住」とかです。
しかし、そうなっていない例もあります。代表例は海老名駅で、JR線にはもちろん海老名駅は相模線にしかないので「海老名」ですが、連絡運輸対象となる小田急線や相模線の海老名駅もマルス券面では同じ「海老名」としか表示されません。他にも、「JR全社全駅と通過連絡対象になっている社線」のJRとの接続駅も、たとえ社線への単純な連絡きっぷの場合でもJR側の駅名で表示されると思われます(確証なし)。
また逆に、社線側からJR側への連絡きっぷの場合、発券は各社線の発売方法によって様々な様式がありえますが、阿武隈急行の場合、有人駅には自動券売機以外にも印刷発行機が設置されており、端末操作上は自社の福島駅は「福島A」、JRの福島駅は「福島J」と区別されているのですが(実際の発券手順としては、マウスで「福島A」「福島J」「経由槻木」を順にクリック)、発券された券面においては両駅ともに「福島」としか印字されません。

当然ながら「原則論」「筋論」として、また実際にSuica・PASMO大回りにおいては完全に実運用されているとおり、本来、異事業者の駅は、それが完全に同一構造で隣接して設置されていたとしても、「別の駅」です。マルス発券において、例外はあるものの、おおむね社名などを付加することで区別をつけるようになっているのも、これを意識してのものではないかと思われます。
なので、実乗が「同じターミナルから同じターミナルに戻ってくる」ことになるとはいえ、「別の駅」発着となるこのような連絡きっぷは「O型きっぷ」とはみなせない、というのが、私が勝手に決めたマイルールです。
事実、今回の例では、JR側の券面は「(北)福島→福島」と、明らかにO型きっぷの券面になっていません。
(もちろん、この場合でJR福島駅が(北)となっているのは、他に大阪環状線にも福島駅があるからなのですが、仮に大阪環状線の福島駅が別名だったのであれば、マルス券は「福島→(阿武隈線)福島」となったのではないでしょうか)

というわけで、

「ニセO型きっぷ」とは、制度上「別の駅」に発着するが、券面表示上「同一駅発着のO型きっぷ」に見えるきっぷのことである
と定義したいと思います。
ちなみにこれに該当するのは、私が今現在考え付いた範囲では、次の4ケースです。
  1. 同一事業者(JR旅客会社6社は乗車券発売形態上あわせて「同一事業者」とみなす)内で、本来別の駅なのにその区別が券面表示上なされない、L型(つまりループのない普通の)片道きっぷ(例:播但線長谷(ながたに)駅発三江線長谷(はせ)駅着)
  2. 異事業者間で同名駅発着となる連絡乗車券で、双方の駅名が券面上区別されない
    1. マルスに、異事業者の同名駅が同名で収容されている場合(例:小田急線海老名駅)
    2. JR全社全線対象の通過連絡乗車券が発行される社線の、JRとの接続駅が発着駅となる場合(例:ほくほく線六日町駅)
    3. マルスには異事業者の同名駅が区別して収容されているのに、他の端末において(社線側発行機、JRのPOSなど)端末操作上は区別されるが券面に同名で印字される場合(例:阿武隈急行印発機のJR福島駅(端末上は「福島J」))
今回はまさに、上記の(2-3)に該当するケースということになりますね。

さて、画像のきっぷに戻りまして、実乗はまず「福島→福島」で行って白石駅で途中下車、その後前述の「(北)白石→(北)白石」を完遂してから「福島→福島」を完遂、その後「(北)福島→福島」を一気に完遂、という順序です。
最初の槻木駅乗り換えでは、阿武急専用ホームに中間改札もどきがあり、そこに(前述の)車掌さんが立っておられたのですが、「あっ、福島福島!どうぞ、ありがとうございます!!」とエールをくださいました(^o^)
また「(北)福島→福島」では槻木駅の途中下車印をもらいました。これはもうこのルート3周めでしたが(疲)、1・2周めともにJR有人改札がお休み中という扱いで、すでに夜で3周めという飽き飽き状況(^^;;)の中で唯一のアクセントとなりました(^^;;)。 なおハンコですが、スタンパーおよびニセスタンパー(笑)は置いときまして、それ以外としましては、まず「福島→福島」に無効印がありません。これは、JR福島駅の有人改札で無効印を求めたところ、ベテラン駅員さんから「これはJR発行のきっぷではないから無効印は押せない、記念に持ち帰りたいならそのままどうぞ」という全く謎の扱いを受けたことです。これは制度的にどうなのでしょうか? 少なくとも白石駅より先から何度も不正乗車可能になってしまうとは思うのですが…


上記3きっぷに押されたスタンパー、およびニセスタンパー(笑)です。
JR福島駅および白石駅での入場は自動改札、阿武急福島駅は無札状態ということで、本来、これらにスタンパーが押される必然性は1つもなかったところです。
まず最初のは、その阿武急福島駅のスタンパー。これは、無札状態の改札口にしっかと置かれていたのを確認したので、ホームを共有する福島交通飯坂線の電車が到着して改札口に駅員さんたちが立ち、さらに降車客の波が去ったところにすかさず走り寄って「お願いします、そのスタンパー押していただけませんでしょうか」とお願いして押していただいたものです。
続きましては、「有人駅常用の観光用でないスタンパー」としては、日本の鉄道(索道除く)駅中最も長い駅名のものと思われる、阿武隈急行やながわ希望の森公園前駅のスタンパーです。これは同駅で途中下車したものの、下車印がないということで、記念にということでいただいたものです。JR東の最新スタンパーと同じフォーマットで、細かい字が綺麗にスタンプ可能となっているすばらしいものでした。
そして最後が、ニセスタンパー(笑)、ではなくて、全国でもここでしか確認されていない、謎の様式の白石駅途中下車印です。
ハンコください!でこの印影を拝見し、かなり強い衝撃を受けました。日付がここに入っていれば、JR西日本の一部の駅で見られる、まさに「ニセスタンパーな途中下車印」と同じですが、なぜかそこが空欄になっている。
というわけで、実際に押していただくだけでなくあわよくばいろいろ解明しようと狙っていたのですが、実際に白石駅改札さんとお話しさせていただけたばかりか、スタンプ面を拝ませていただくことができました。
普通、ここまでスタンパーに似ていれば、中央の空白欄には日付を入れられるようになってると思うじゃないですか。しかしこれはそんなんじゃなく、印はシヤチハタで、空白部分はホントにのっぺりと空白なだけでした…
なぜこんな印が生まれたのか、やっぱり気になるところですね…


当時のアプローチに利用した青春18きっぷ。自宅から上野駅まで早朝の4.5kmを歩いてきたため、4回目の上野駅スタンパーの分が該当しています。

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